我が家の冬のメインイベント、厳冬期の赤岳登山。
本格的冬山登山の登竜門として脱初級者が通る道でもある赤岳。雪山三年生の我が家も例外なくその道を通ることを決めましたが、ここに至るまでには様々な葛藤もありました。いろいろな想いはありましたが、ここで書くと長くなりすぎてしまうので省略します(笑
なにはともあれ、いざ赤岳の山頂へ向けて出発!
おはようございます。
やってきました八ヶ岳。冬のメインイベントに挑むケータ、笑顔の下にはふつふつと闘志が燃え滾っています。今回は是非とも結果が欲しいところ。オッサンも秘かに燃えてます(笑
林道は凍結通行止めw
いつもならこの先の美濃戸まで車で入るんですが、この週末は路面凍結の為に通行止めとなっていました。1時間余計に歩かなければならないのは痛いけど、こればかりはしょうがないw
安定のチェーンスパイクで。
つぼ足、10~12本爪アイゼンで行かれる方が多いなか、我が家はチェーンスパイクをチョイス。これで歯が立たなかったらアイゼンに履き替えるつもりでしたが、結果はこれがベストでしたね。
つぼ足やアイゼンの方よりサクサク歩けて先行者をごぼう抜きにしました(笑
順調そのもの(1)
チェーンスパイク効果で予定よりも早くやまのこ村に到着。行者まではなるべく体力を温存しておきたかったので、わりとのんびり来たつもりだけど少し貯金ができました。順調、順調^^
まずは行者小屋へ。
今回も南沢コースから行者小屋を目指します。つぼ足の方もここでアイゼンを履いていましたが、我が家はこのままチェーンスパイクで進みます。足に負担がかかるアイゼン歩行はできるだけ最小限にしたい、これも作戦のうち。
順調そのもの(2)
地味にきつい南沢を登ってくると広い河原にでます。ここまでの道もチェーンスパイクで問題なく登ってこれました。ペースは抑え気味のわりにはなかなか良い感じ。順調、順調^^
赤岳ドーン。
さらに進むと目の前には赤岳の荒々しい山体が見えてきます。天気は良い、でも雲の流れは速い。無事に登頂を果たすには風と雪の状態が重要、どうか風が少しでもおさまってくれますように。そう願いながら歩みを進めます。
順調そのもの(3)
スタートから3時間、予定よりも早く行者小屋に到着。足元のチョイス、ペース配分も良し、全てがうまくまわっているような気がする。時間的な貯金が出来たのも大きい。順調、順調^^
フル装備!
アイゼンやピッケルはもちろん、今回はハーネスも装着して必要ならば確保も。アイゼンワークの復習、緊急時の対応策などを確認し合いながら緊張感を高めていきます。
さあ、本気で行こう!
往きは文三郎尾根から。
いきなりの急登。きついがステップ状になっており、雪も締まっているのでアイゼンは良く効いている。正面から太陽を浴びて寒さもそれほどではないし風も穏やか。コンディションは良好だ。
一歩一歩確実に。
上がれば上がる程に雪はクラストしていてアイゼンが良く効いているのがわかる。その反面、転倒滑落したら止まりにくい状態だという事。ミスせぬように集中力を高めて歩く。
先のルートを歩く登山者達。
やはり簡単には登らせてくれそうもない。急斜面にトラバース、その先にはもっと過酷な道が待っているはず。再び気を引き締め直し歩き出す。
きっと周りの景色なんてケータには見えていなかったと思う。
しばらくは確保せずにフリーで登らせてみたが、淡々としたペースで歩き続けていた。アイゼンの爪もフラットに食いつかせ、見ていて安心感さえもあった。黙々と集中しながら歩いているのがわかった。
分岐手前のトラバース。
斜度が緩いぶん体力的には楽だが、気は抜けない。右側に滑れば滑落する場所、慎重に。
文三郎尾根分岐に到着。
素晴らしい快晴、でもそれよりも風が強くない事の方が断然嬉しい。
阿弥陀岳、権現・編笠岳に囲まれてこれから目指すのは...
八ヶ岳の主峰、赤岳。
あの岩の奥にある山頂へ。ここからが本番、集中力を高めて良い結果を出そう!
分岐から先は念のために確保しながら。
確保したところで、もし落ちても止められる保証はないが、何もしないよりはマシ。安心感も生まれる事だろうし、積極的に確保してみた。
ちなみに写真のトラバース部は足幅1本分しかない所で、今回の核心部でした。
高度感のある登り。
ケータのフォローで、写真を撮る余裕も余りない。ロープのテンションを気にしつつ、足さばきを気にしつつ。一つ一つ難所を確実にクリアする事に集中する。
山頂まであと少し。
見慣れた道標が目の前に。最後まで気は抜けないが、あそこを過ぎれば山頂まであと少し。のはずw
2月25日 12時10分。
ケータ、念願の厳冬期 赤岳に登頂。
快晴弱風の山頂、周りの景色は素晴らしかったが写真を撮る余裕はなかった。というのも、本当に危険なのは下っている時。この後の下山を考えると登頂の喜びよりも緊張感のほうがはるかに大きかった。
さあ、下山だ。
当初の予定では文三郎尾根をピストンするつもりだったけど、あの狭いトラバースの印象が強かったので地蔵尾根から下る事にする。どちらから下っても簡単じゃないのは同じ、ただ慎重に歩く事に努めるしかない。
気の抜けないルートは続く。
天望荘までの下りも急。緩んだ雪に足を取られる場面もあり苦戦、ゆっくりと慎重に時間をかけて下る。
地蔵尾根を下る。
目の前には噂のナイフリッジ。と言っても思ったよりは幅も有り難易度は高くない。これなら往きのトラバースの方がよっぽど危険だと思う。アイゼンをひっかけないようにだけ注意しながら通過。
その後も幅の狭いトラバースや急な階段など、ミスの許されないルートは続く。
それにしても、やはり地蔵尾根は急だった。下るのもきついが、ここを登ってくる人はすごいと思うw
難所を無事通過。
まだまだ気は抜けないが、難所を抜けたという安堵感から会話も増えて来た。
余裕もでてきたので、適当な斜面を見つけて滑落停止の訓練を実施。
いろいろな状況を想定し、何度も何度も繰り返してやってみました。でも最後はただの雪遊びに(笑
もう緊張感を持続するのには疲れました。少しは楽しまないとね^^
無事帰還。
樹林帯を抜け、行者小屋まで下って来てようやく一安心。緊張感から解放された最高の瞬間でした。
ケータの背中が妙に大人っぽく見えてのが印象的だったな。
こうして無事に厳冬期の赤岳を登頂した我が家。
雪山経験のある大人ならスリルを楽しめる行程でも、やはり小学生が歩くには危険と感じるところは多々ありました。初心者が簡単に歩けるような場所ではなく、それなりの体力と雪山やアイゼン歩行の経験を積んでいないと難しく危険な山だと思います。
それでもケータの場合はこれまでの経験と実績を考慮したうえで一緒に歩くことを決断しました。
子供だからダメ、無理。と最初から決めつけるのではなく、一人の登山者としてのスキルを見定めたうえでの決断。決して間違った判断ではなかったと今でも思っています。
もちろんリスクがあるのは承知しているし、本人もそれを理解したうえで今回の山行に挑みました。まあ、登山をするからには何らかのリスクはつきものですし、それは大人も子供も関係ありませんからね^^
要はそのリスクを理解し、それと向き合う覚悟があれば誰にでも山を歩く権利はあるんだと思います。
ただ、無謀な山行は周りの登山者に迷惑をかけてしまう恐れがあるので、そこには注意が必要。自分の技量を見定め、リスクと向き合ったうえで行けると判断した山を歩く。我が家はそんな考えをもって歩く山、歩ける山を選んで歩いています。
今回の赤岳もその考えをもとに挑戦したわけですが、無事に登頂する事ができました。
緊張する場面もあったけど、天気も良くコンディションに恵まれた素晴らしい山行。こんなに充実した山行はそう何回も経験できませんね~
最高でした!そしてケータ、よく頑張った!!
一応後編に続きます(^^;
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