剱岳 早月尾根

忠太

2016年07月27日 09:03


7/23 夏山チャレンジ第二弾、北アルプスは剱岳 早月尾根をケータと歩いてきました。



今年の夏山チャレンジのメインの舞台は剱岳、早月尾根。

標高差2200m、CT15時間超の過酷な日帰りハイク。案の定ボロボロになって歩いてきましたww







おはようございます。AM4時、かの有名な石碑の前にて。

ケータの表情からも読み取れると思いますが、これから始まる試練に父子共に緊張しております。
山行前はテンションも高いものですが、この日はかなり低かった事を覚えていますw


ちなみに我が家から登山口のある馬場島までの移動には6時間、500km。金曜に仕事を終えて早めに出発、途中のSAで1時間半の仮眠を経てやってきました。その後に10時間をゆうに超えるハイク...過酷だw







まだ暗いなかヘッデンを点けて歩き出します。

登山道は一歩目からいきなりの急登w、先が思いやられますw







30分程で標高1000m地点に到着。

雲の多い空。午前中はなんとかもちそうだが午後からはガスが湧く予報です。間に合うかな?







早月尾根には200m毎にプレートが設置されています。

これを目安に休憩したり、あとどのくらい登ればいいかなどがわかるのでとても助かりました。








噂通りの急登が続く早月尾根。

斜度もありますが、大きな木の根の段差がケータのような子供には難敵でしたね。








1800mを通過、やっと1000m上げてきました。

相変わらず急登が続く登山道。きついけど徐々に体は山モードになってきて順調に高度を稼ぎます。







時々見える景色は雲の多い微妙な天気。

ガスが湧く事もしばしば、こりゃあお天気は期待しない方が良さそうだw








ようやく2000m地点に。

池を通過し、そろそろ小屋も近づいてくる頃。







スタートから4時間弱、やっと小屋が見えてきました。

長かったけどここまでは全行程の半分くらいかな?深く考えずに小屋でゆっくり休む事にしましょう。


ここまでCTを1時間以上巻いて歩いてきています。早いように思えるかもしれませんが、早月を日帰りするなら(テン泊は別)このくらいのペースで歩くのは普通なのかもしれません。(いや、遅いほうかもw)
早月尾根を歩いてる人は少なかったですが、ほぼ同時にスタートした方はあっという間に見えなくなり、我々を追い抜いて行く方も早い。やはりこの尾根を歩く方たちのレベルは高いですw

それでも我が家的には想定内のタイムでしたので、慌てずに予定通りに進む事にします。







小屋に着いて大休止、もう一山登った感覚なので迷わずコーラを購入(笑

ケータ隊長もお疲れの様子、眠そうだったので10分程仮眠させました。疲れたんだね~







小屋からではまだ剱の全貌が見えてきません。

ここから3時間半、800m上げていきます。普通に一山登るくらいの数字ですね(汗







小屋から先も相変わらずの急登。

変わった事と言えば登山道が木の根から岩・石に変わった事くらいですかねw








この時間はお天気も回復傾向、周囲のお山も良く見渡せました。

目指す剱の頂もちょっとだけ見えてきました。でもまだ遠いな...








2600mを過ぎたあたりで雪も姿を現します。

別に雪の上をわざわざ歩かなくても良いんだけどね、好きなんだね^^







チングルマと ミヤマキンポウゲ。(かな?)

他にも沢山お花は咲いてましたが写真を撮る余裕もなかったので今回はこれだけで(汗








登山道は徐々に岩場がメインに。

きついに加えて"怖い"ルートにケータも慎重に。ペースは落ちるけど仕方ない、安全第一で行こう!








2800m地点からはようやく剱岳の勇ましい姿が。

いよいよ来たな~って感じです。







登ってきた道を上から見るとこんな感じです。

我が家の場合、登りはいいけどこの下りがねー...怖いんだよね(汗







ブログ等の記事でよく見かける鎖場"カニのハサミ"、一番心配していたのはここでした。

写真でケータが左足をのせているのが有名なボルト一本の足場です。谷側はスパッときれているので落ちたら大参事ですが、難易度はそれほど高くないと思います。もちろんケータはびびってましたが、ケータくらいの身長(140cm)なら慎重に行けば問題無いかと思います。念の為にセルフビレイや確保の装備ももっていきましたが今回は使いませんでした。








難所?をクリアした後も鎖場は続きます。

今度は登り。注意すべきは落石、通過する前後に人がいる場合は安全の為に間隔を置いて進む必要があります。この日は数人の下山者がいたので全員に先に下りてもらい、ルート上から見えなくなるまで待ってから登り始めました。ここも高度感はあるけど難易度は高くありません。







鎖場をクリアし、いよいよ山頂を目の前にビクトリーロードを歩きます。

この時点でもう自分は泣いてます(笑







スタートから8時間、念願の早月尾根から剱岳に登頂。よく頑張った!







山頂にいた方に父子での写真を撮って頂きました。

同学年の子供をもつお父さんらしく、ケータに色々と声をかけてくださいました。
ついでに何故かその方とツーショットの写真を撮ってもらったケータ。本人はキョトンとしてましたけど(笑







山頂からは360℃ご覧の景色w

残念ではあるけど、登頂した達成感のほうが遥かに勝っていました。悔い無し!








さあ、問題の下山開始。ただでさえ下りは苦手なのにこの高度感。落石にも注意を払いながら慎重に、おっかなびっくりで下るのでやたらと時間がかかります(汗


下山開始から20分くらいにケータからお腹が痛いとの申告がありました。便意ではなくキリキリと痛みがあるとの事。原因はよくわからないけど、まだまだ危険な場所なのでここで休憩を兼ねて停滞する事にしました。幸い20分程横になっていたら復活してくれたので再び歩き始めました。一体何だったんだろう??







ちょっとしたアクシデントあって時間に余裕はないけれど、登頂祝いに小屋で乾杯しました。

小屋の外にはテン泊組がリラックスモードで楽しそうに、羨ましいけど我が家はこれから下らねば(涙







登りが急だったので下りも急です(当たり前か)。

滑る木の根や大きな段差、この下りでは我が家はCTオーバーも十分に考えられるけど焦らずに行こう。




と思って十分に注意して下っていたつもりなんですが、やっちゃいました自分w

残り2時間くらいまで下ってきたところで木の根に躓き、登山道を3mくらい転げ落ちてしまいました。その時に右ひざを岩に打ち付けて裂傷。幸い痛みはそれほどでもなく歩ける状態でしたが傷口から結構な出血が。
急いでガーゼや包帯などで応急の止血をし、再び歩き始めますがなかなか出血が止まりませんでした。それでも歩かないとどうにもならない(電波も届かないし登山者もいない)のでこまめにガーゼを交換しながらなんとか下山を続けました。

歩けたから良かったものの、最悪の場合の事を考えるとゾッとしてしまいます。一応ビバーク装備は携帯していますが、そうならないように十分に注意しなければ。特に子連れなので一層の注意が必要なのに...

先日の捻挫の件、今回の怪我の件とあまりにもおそまつな行動に情けなく、十分な反省が必要だとつくづく思っています。







そんなアクシデントもあってだいぶ遅くなり、最後は日没をむかえてしまいましたがなんとか下山完了。

十分すぎる程の試練を乗り越えて早月尾根制覇、お疲れさん!!






やはり強烈でした、早月尾根w
それなりの覚悟とトレーニングを積んで挑んだつもりでしたが、黒戸同様にコテンパンにやられました(笑

黒戸尾根に比べると長さは感じませんでしたが、急登が続くので体力・筋力はそれなりに必要だと思います。
2800m上からはほぼ岩場歩きとなるので滑落、落石などにも注意が必要。肉体的にも疲れますが、精神的な疲労もかなり大きかったように感じます。ましてや子連れなら尚更ですねw

それでもなんとか目標を達成できた事は素直に嬉しいです。
今回程のハードなやつはそうそう歩かないと思いますが、今後の山行に大きな自信となりました。




一方で後味が悪くなってしまったのは下山時の怪我ですw

一歩間違えば自力下山が出来なかった恐れも。今回のコース、時間帯では人に会う確率も低く何かあっても助けを求めることができません。そうなればビバークするかケータ一人で下山し助けを求めるか...
いづれにせよ、子連れ時にはどちらの選択も危険を伴ってしまいます。そんなリスクを負わないためにも自分がもっと慎重に行動しなければいけないとつくづく思い、ただただ反省するばかりです。


膝の状態もあまり芳しくなく、今後の予定に影響がでるかもしれません。
夏休みまでに回復してくれるといいのですが、こればかりはなんとも.....
しばらくは安静にして様子見です(涙



最後は悲観的になりましたが、なにはともあれ目標の早月尾根をケータと踏破、やったぜ!!








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